今後の世界のPFAS規制の展望
世界のPFAS規制は、各国・地域で連携しながら、より包括的かつ厳格な方向へと進んでいます。日本と同様に、多くの国々でPFASの有害性が認識され、その使用、製造、輸入が段階的に制限され始めています。
主要な動きとしては、以下のようなものがあります。
- 欧州連合(EU): EUはPFAS規制において世界をリードしており、REACH規則(化学品の登録、評価、認可及び制限に関する規則)に基づき、広範なPFAS群に対する包括的な制限提案が進められています。特定のPFASだけでなく、PFAS全体を対象とした規制導入の動きが加速しており、これは、PFASの広範な用途を段階的に制限する方向の規制案として議論されています。製品中のPFAS含有量の上限設定や、特定の用途での使用禁止などが検討されています。
- アメリカ合衆国(米国): 米国環境保護庁(EPA)は、PFASを「永遠の化学物質」と位置づけ、飲料水基準の厳格化、汚染サイトの浄化、PFAS排出源の特定と削減に注力しています。各州レベルでも独自の規制が導入されており、例えば、特定の製品カテゴリー(食品包装、化粧品、衣料品など)におけるPFASの使用禁止が進んでいます。
- 国際的な取り組み: ストックホルム条約(残留性有機汚染物質に関する条約)では、PFOSやPFOAがすでに規制対象となっており、PFHxSも追加されました。今後も、さらに多くのPFASが国際的な規制の対象となる可能性があります。
これらの動きは、企業がグローバルサプライチェーンにおいてPFASを含む製品を製造・販売する際に、より複雑な規制要件に対応する必要があることを意味します。国際的な規制動向を注視し、EU市場向け製品やグローバル取引においてPFAS使用が問題とならないか確認することが重要です。
今後は「規制対象かどうか」だけでなく、EU市場向け製品の製造工程でPFAS含有の洗浄剤等を使用した場合、微量残留の可能性を完全に否定できるか、またその使用状況を顧客に説明できるかという観点も重要になります。
