PFASを使用しない洗浄という選択― VB1000の工程適用と評価方法 ―
前回の記事では、洗浄工程において評価されるポイントが残渣・粒子・乾燥・材質影響といった実務的な要素であることを整理しました。
その上で、近年は「PFASを使用しない洗浄」という選択肢も検討され始めています。
洗浄剤選定のもう一つの軸
従来の洗浄剤選定は主に性能評価が中心でした。しかし現在はそれに加えて、排出や環境負荷の説明、成分構成の整理、サプライチェーンからの確認対応といった観点が加わりつつあります。
この結果、「性能」+「説明可能性」という2つの軸での判断が求められる場面が増えています。
VB1000の構成と特徴
『VB1000』は、水とミネラルのみで構成された洗浄剤です。
PFAS不使用
界面活性剤不使用
有機溶剤不使用
というシンプルな構成を持っています。このような構成は、成分の説明がしやすい排出に関する整理が行いやすいという点で、検討しやすい条件の一つになります。
洗浄の考え方(乳化ではなく剥離)
一般的な洗浄剤が油分を乳化させるのに対し、
VB1000は油分を剥離し、分離させる挙動を取ります。
油分は浮上、固形物は沈降という分離が起きるため、回収、フィルタリング、再利用といった運用の検討が可能になります。
工程内での評価方法
VB1000は、既存の工程にそのまま適用して評価することが可能です。
基本的な評価方法は以下の通りです。
洗浄:原液使用
方法:浸漬/超音波/スプレー
温度:常温+加温比較
リンス:必要に応じて純水併用
乾燥:既存条件
加温により洗浄力が向上するため、条件設定によって結果が変わる点が特徴です。
導入判断の考え方
VB1000に限らず、洗浄剤の適合性はカタログスペックでは判断できません。
重要なのは、対象物、汚れの種類、工程条件に対してどう結果が出るかです。
そのため、最終判断は必ず工程内評価で行う必要があります。
まとめ
PFAS規制の動きにより、洗浄剤選定の考え方は変化しつつあります。これからは、洗浄性能に加えて
説明可能性も含めた検討が求められます。
VB1000はその一つの選択肢として、
既存工程の中で評価することが可能です。
最終的な適合性は実際の工程で確認することが前提となります。
※VB1000の構成や洗浄メカニズム、導入効果については、以下の記事で詳しく解説しています。
