半導体洗浄はウェハだけではない―PFAS規制で見直される製造装置部品の洗浄工程

半導体製造における洗浄というと、RCA洗浄やSC-1、SC-2など、ウェハそのものの洗浄工程が注目されがちです。

しかし、半導体製造を支えているのはウェハだけではありません。

半導体製造装置には、多くの金属部品、真空部品、精密加工部品、治具、配管部品、樹脂・ゴム周辺部品などが使用されています。

そして、それらの部品を製造する過程でも洗浄工程があります。

SEMIが示す「部品製造工程におけるPFAS管理」

SEMI(国際半導体製造装置材料協会)が公開している「PFAS Explainer」は、半導体製造装置や半導体製造設備に使用される部品を含め、半導体サプライチェーン全体でPFASをどのように把握・管理するかを整理しています。

その中でSEMIは、部品の材料や表面処理だけではなく、製造工程にも目を向けています。

特に、製造する部品に洗浄などの工程がある場合には、その工程でどのような物質を使用するのかを明確にすることを求めています。

さらに、規制上問題となるPFAS濃度は非常に低くなる場合があり、小さな部品に残った洗浄液であってもPFASコンプライアンスへ影響する可能性があるとしています。

これは重要なポイントです。

「部品がPFASフリー」だけでは終わらない可能性

例えば、部品そのものがSUSやアルミなどの金属であり、PFASを材料として使用していなかったとしても、その製造工程でフッ素系洗浄剤を使用していれば話は別です。

今後PFAS管理がサプライチェーンへ広がれば、

  • どの材料を使用しているか
  • どの表面処理をしているか
  • どの洗浄剤を使用しているか
  • 洗浄後に成分が残留する可能性はないか

といったところまで確認対象になる可能性があります。

SEMIも、半導体産業では現在PFASが不可欠な用途が存在する一方、必須ではないPFASについては実行可能なスケジュールで排除していくという考え方を示しています。

すべてのPFASを一律に排除するという話ではありません。

重要なのは、代替できる工程についてはPFASを使用しない選択肢を検討することです。

半導体製造装置部品の洗浄工程も見直し対象へ

半導体製造装置の金属部品、真空部品、精密加工部品、治具、配管部品などでは、加工油、切削油、微粒子などを除去するための洗浄工程が存在します。

現在フッ素系洗浄剤を使用している工程であれば、

「現在の洗浄剤を使い続けるのか」

ではなく、

「PFASを工程に持ち込まない洗浄工程を作れるのか」

という視点で見直すことも一つの選択肢になります。

その方法の一つが、水系洗浄工程への転換です。

VB1000は「フッ素系洗浄剤の代替候補」

水系高機能洗浄剤「VB1000」は、フッ素系洗浄剤をそのまま置き換えることを前提とした製品ではありません。

現在フッ素系洗浄剤を使用している洗浄工程を水系洗浄工程へ見直す際の代替候補です。

PFAS、界面活性剤、有機溶剤を使用せず、金属部品や精密部品などの洗浄への利用を想定しています。

REACHにおけるPFAS包括規制の検討が進み、半導体サプライチェーンでもPFAS使用状況の把握が進む中、確認すべき対象は製品を構成する材料だけではありません。

その部品が、どのような工程で作られ、何を使って洗浄されているのか。

半導体製造装置を支える部品の洗浄工程も、PFASを使用しない工程へ見直す対象の一つになっていく可能性があります。