【1】S45C(機械構造用炭素鋼)水溶性切削油洗浄試験結果
試験方法
試験片
- 材質:S45C(黒皮)を依頼者にてブラスト処理
- サイズ:20mm×20mm×1.6mm
- 前処理:アセトンに浸漬させ、60秒間超音波照射
汚染処理
- 汚染物質:水溶性切削油 品番:821 ※水溶性切削油の品番((株)エーゼット製)(図1)
- 汚染方法:試験片の中央に水溶性切削油10μLをマイクロピペットで滴下(図2)
洗浄方法
- 洗浄液:VB1000(図3)
拭き取り試験
- 洗浄方法:約45°に傾けた試験片に対し、垂直方向50mmの距離から洗浄液を2回スプレーし(図4)、10秒間放置後、キムワイプで1回拭き取り
スプレー試験
- 洗浄方法:約45°に傾けた試験片に対し、垂直方向50mmの距離から洗浄液を10回スプレーし、60秒間放置後、水道水をかけ流し(70mL/sの流量で10秒間)
浸漬試験
- 洗浄方法:洗浄液を満たしたシャーレに試験片を10分間浸漬した後、水道水をかけ流し(70mL/sの流量で10秒間)
※試験片、使用オイル、洗浄液およびスプレー容器は依頼者からの供試品
評価方法
目視
- 評価方法:洗浄後の試験片表面を目視観察
SEM観察およびSEM-EDX分析
- 使用機器:分析機能付超高分解能走査電子顕微鏡 JSM-7900F(日本電子(株)製)
- 評価方法:洗浄後の試験片表面の炭素濃度を、汚染処理前の試験片と比較
試験結果
目視
- 試験結果:図5 に示す通り、表面に油膜の残存は認められない
SEM観察およびSEM-EDX分析
- 試験結果:いずれの試験方法においても、洗浄後の試験片表面は汚染処理前の試験片表面と比べて見た目および元素分析結果(表1)における炭素の濃度は同等であり、汚染物質が除去できたと考えられる
試験場所、レポート作成者
- 試験場所:名古屋市工業研究所 材料技術部
- 試験実施日:2025年4月28日

図1 水溶性切削油

図2 洗浄前の試験片

図3 洗浄液(スプレー容器)

図4 スプレーの様子

図5 洗浄後の試験片
左)拭き取り試験後、中央)スプレー試験後、右)浸漬試験後

図6 洗浄前後の試験片表面の電子顕微鏡像
左上)汚染処理前、右上)拭き取り試験後、左下)スプレー試験後、右下)浸漬試験後







































