EUのPFAS包括規制の動き(2025年11月現在)

EUでは、PFASの規制案を策定する欧州化学品庁(ECHA)の科学委員会(RACとSEAC)が、規制の議論は2025年内に主要部分の議論を終了し、2026年には最終意見書が欧州委員会に提出される予定です 。このタイムラインは、規制が後戻りせず、2027年以降の発効に向けて着実に進行していると解釈できます。

9月に行われた科学委員会(RACとSEAC)で議論において、主に以下の点が明確化されました。 

  • 今回のPFAS包括規制の対象が工業用洗浄剤を含むこと

この規制案には、工業用精密洗浄用途も規制対象として検討されていること。これは、従来の工業用洗浄剤が将来的に使えなくなるリスクが非常に高いことを示唆しており、PFAS不使用の代替技術の検討が現実的な選択肢となります。

  • 今回のPFAS包括規制の対象が製造プロセスまで含まれた規制であること

規制が製造プロセスにまで及ぶことで、企業およびサプライチェーン全体に影響が波及する可能性があります。最終製品メーカーが部品メーカーに対し、PFAS不使用の証明を求める監査や証明要求が連鎖的に広がることが想定されます。

  • PFAS包括規制案:主要な制限オプションの要約

PFAS包括規制案は、PFASの使用を原則的に禁止しつつ、特定の用途に対しては段階的な措置を講じます。

1. RO1:全面的な禁止

RO1は、規制が発効してから18ヶ月の移行期間後に、PFASの全面的な使用禁止を提案する最も厳格なオプションです。これは、代替品への移行が短期間で容易に可能であると判断される用途に適用されます。

2. RO2:時限認可(段階的禁止)

RO2は、中心的な議論対象となっているオプションであり、PFASの使用に制限的な許可を与えます。具体的には、代替品への移行に時間が必要な用途に対し、5年または12年という猶予期間を設けます。この期間は「時限認可」であり、期間満了後には原則として使用が禁止されます。ただし5年または12年の猶予期間中は廃水・大気に対する厳格な排出管理措置や回収・リサイクルシステムなど、PFASを使用している期間は漏出を最大限に抑えるための制限と管理が義務付けられます。

3. RO3:制限認可(漏出制限での限定使用)

RO3は、技術的・経済的に代替品が現在存在しないごく一部の「必須用途」に対する例外的なオプションです。PFASの使用は許可されますが、その代わりに、廃水・大気に対する厳格な排出管理措置や回収・リサイクルシステムなど、漏出を最大限に抑えるための恒久的な制限と管理が義務付けられます。

この制限と管理はPFASを使用している限り続きます。