簡単に見えて実はなかなか簡単にはいかない工業用洗浄剤のPFAS不使用化

発がん性等が疑われ、世界中で問題が広がりつつあるPFAS(有機フッ素化合物)。

PFASは水や油をはじく特性を持つため、これまで多くの工業用洗浄剤の原料として利用されてきました。しかし、難分解性ゆえに環境や人体への蓄積リスクが指摘され、世界各国で規制が進んでいます。

工業用洗浄剤のPFAS不使用化は一見単純に見えますが、実務上は容易ではありません。単純に原料からPFASを除去すればよいという問題ではなく、PFASの撥水・撥油特性を前提に設計された製品も存在するため、同等の洗浄性能が維持できるかどうかの検証が必要となります。

また、代替物質を添加する場合でも、性能・コスト・供給安定性を同時に満たす技術の確保は容易ではありません。

さらに、既存の工業用洗浄剤においてPFAS不使用を証明することも課題となります。PFASは1万種以上存在するとされており、PFAS不使用を証明するには原材料のサプライチェーンまで遡り、原材料ごとに確認する必要があります。原材料の成分情報には企業秘密が含まれる場合も多く、検証作業には実務的な負担が伴います。

このように、工業用洗浄剤のPFAS不使用化は、技術面と証明面の双方においてハードルが存在します。